http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2015/02/03/kiji/K20150203009741720.html
石垣島キャンプ2日目。2軍を初めて視察したロッテ・伊東監督から熱視線を浴びたのは、ドラフト3位の岩下(星稜)だった。立ち投げで40球、捕手を座らせて20球。1メートル81の長身右腕は全て直球を投げ込み、指揮官を「高校生にしては精度の高い投球だった。体つきも、バランスもいい。マウンド度胸も良さそうだね」とうならせた。
「2日連続でブルペンに入りましたが、入れるだけ入りたい。自分の(投球の)形をつくることを意識して投げている」と岩下。昨夏の石川大会決勝で小松大谷を相手に9回に8点差を逆転した「ミラクル星稜」のエースだ。最速146キロを誇る18歳。小谷2軍投手コーチと話し込んだ伊東監督は「小谷さんと夏くらいから出てきてほしいと話したんだ」と先発候補として期待を寄せた。あの夏から1年後。先発陣が苦しくなる夏場に救世主になるかもしれない。
今年の高卒新人には楽天のドラフト1位・安楽(済美)や西武の同1位・高橋光成(登録名=前橋育英)ら注目投手が多い。岩下は高1の秋に安楽と練習試合で初めて投げ合い、0―0で引き分け。お互い9回無失点で勝敗は付かなかった。好きな言葉は「勝ち気」という右腕はライバル心を燃やすどころか、こう言い放った。「こんな言い方をしたら申し訳ないですが、プロで1勝もしていない選手を意識しても意味がない。プロで100勝、200勝している投手はたくさんいる。そういうレベルの選手を意識したい」
巨人コーチ時代に内海らを育てた小谷2軍投手コーチが「テークバックとトップをつくる動きが西野に似ている」と言えば、松本尚樹編成統括は「フォームの流れが唐川にダブる」と評する。「西野×唐川」。侍ジャパンの守護神と、通算49勝右腕のいいとこ取りである。カーブに縦横の2種類のスライダー。さらにフォークと球種も豊富で、将来のエース候補として期待が懸かる逸材だ。
キャンプ初の実戦となる14、15日の1・2軍合同紅白戦でデビューする可能性もある。「自分がやることをやっていればチャンスは必ずあると思う」。キャンプ2軍スタートだが、実戦で結果を残せば「大逆転」で1軍に昇格するかもしれない。
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