それは入団が決まった時から決めていたことだった。マリーンズの新外国人として1月に来日したマイク・ボルシンガー投手は初めて訪れることになる異国の地で6月に予定日となっていた第1子を産むことを望んだ。通常、夫人の出産に立ち会うために球団から一時帰国が認められるが、その選択肢を最初から自身の意志で除外してのマリーンズ入りだった。ジャパニーズドリームをつかむため、そして家族と一緒に過ごす時間を大切にしたかった。
「いろいろな考え方があるだろうけど、ボクは日本で産むことが最良だと思っていた。初めてのチャレンジである日本の野球で自分にとっての大きなチャンスを逃したくなかった。しっかりと毎週、登板をして結果を出したかった。それにずっと家族と一緒にいることが自分にとっては必要。妻ともそう。そして新たに生まれてくる息子とも1日でも早く一緒に住み、3人の時間を共有したかったんだ」